PTA役員決めがない春と、子どもが喜ぶ活動の前に済ませておきたい話
【書いたもの紹介】
「まだ体育館で軟禁されてるの?」役員決めを廃止したPTA、保護者と先生が手にした“穏やかな春” AllAboutニュース 2026.04.08
今週公開された記事です。私はふだん「何を書こうか」とあまり悩むことがないのですが、新学期が始まるこの時期は、何を書く「べき」か、ちょっと考えます。
やっぱり4月は「クラス役員決め」に困る保護者、特にお母さんたちが多いので、そういう人を減らすために、効果的な話を書かねば、と思ってしまうのです。
考えた末、今年は「既にクラス役員決めがなくなったPTAの穏やかな様子」を紹介して、「こういうの増えてるんだな、うちもこうなるといいな」と読者に思ってもらおう、というポジティブな案を思いつきました。
そういうつもりで私は書いたのですが。
ところがヤフコメやXでは、少数ながら「ネガティブな記事」という感想がありました。えっ、これがですか…? 驚いて、どの辺りをネガティブと思ったのかお尋ねしてみたのですが、残念ながらお返事はいただけませんでした。
タイトルの「体育館で軟禁」というワードでしょうか? その場を経験したことがなくて「大げさに言っている」と思われたのかも?
それとも、強制的な役員決め=ポジティブ、強制をやめること=ネガティブ、と思っているのか? 最近は減ってきましたが、以前は「任意」というと、なぜか「PTAがなくなる」と受け止める方もけっこういたものです。それと同じような認識の相違があるのでしょうか?
想像するしかないのですが、何をどんなふうに説明すればこちらの意図が伝わるのか、毎度のことながら、考えさせられます。
*取材にご協力くださった皆様ありがとうございました、一部載せきれず申し訳なかったです
【気になったトピック①】

PTAの加入は任意?それとも義務?憲法の視点で見てみると…
NHK首都圏ナビ 2026.04.08
NHKの、ネットニュースです。
内容は、PTAについての街頭インタビュー、全Pさん(全国PTA連絡協議会*)のお話、PTA問題を初めて法的にちゃんと取り上げてくれた憲法学者・木村草太さんのお話、PTA改革の先駆けとして有名な大田区立嶺町小学校PTOの現在の様子など、「任意」をしっかり押さえた、よい内容と思ったのですが。
これ、どうも、まだ放送されてないですよね? これからですか? XでNHK首都圏さんのアカウントにお尋ねしてみたのですが、これまたお返事もらえずでした。
テレビ局が、放送しない前提で取材をすることって考えにくいので、放映できなかったのでしょうかね? だとしたら、どんな事情があったのか。
これまた、いろいろ想像してしまいます。放送してほしいですねえ。
*「全P(全国PTA連絡協議会)」と「日P(日本PTA全国協議会)」、ときどき間違えている方がおいでですが、まったく別モノですよー、念のため…
【気になったトピック②】
『町内会 〜コミュニティからみる日本近代』玉野和志著 ちくま新書
以前、名古屋市立吹上小PTAの元会長で『PTAアップデート』の著者でもある下方丈司さんがXで紹介されていた本です。「面白そう」と思って読み、こんな感想を書きました。

ここで言う「困っちゃうあれこれ」というのは、たとえば、行政等のお手伝いをさせられがちなところとか、お手伝いは求められるけど意見は言わせてもらえないところとか。PTAでもあるあるなやつですね。
そういう性質って、たまたまできたものでなく、知恵を絞って設計されてたのですね。震えました(実際の説明はそんなに単純ではないのですが…)。
PTAモンダイと町内会モンダイは全然違うところもあるので「てんでんこ」(それぞれ別に対応)がいい面もあるものの。でもやっぱり、根っこにこれだけ共通のものがあるので、やっぱりまとめて考えないとダメかね、など思いました。宿題ですね。
【いただいたご質問】
Q「大塚さんの話は、スリム化・効率化など、大人目線の話が多い。子どもにとって良いPTA活動については、どう思っているのか」
最近、こんなご質問をいただきました。以前、講演でも同じようなお尋ねをいただいたことがあるので、ここで少しお答えしてみます。
まず前提として、私はいまのPTAで大人たち、特に母親たちが困っている仕組みを変えることを最優先に発信しています。
子どもが喜ぶ活動に反対しているわけではないです。たとえば「逃走中」のようなイベントとか、校庭で花火をあげる企画とか、ときどき聞きますけど、楽しそうだなと思っています。
ただ、多くのPTAは、その前にやるべきことがあるのではないかと思っているのですね。
というのは、ため息をつく人や、ときには泣く人が出るような、強制をベースとした仕組みのまま活動を広げてしまうと、「子どもが喜んでいるんだから、このままのやり方でいい」という話になりやすいので。
だからまずは、PTAを任意を前提とした仕組みに変えること。こういう活動をしたら楽しいね、という話は、その先じゃないかなと思っています。少なくとも、私が発信するのは。
もしかしたら、お尋ねいただいた方のPTAは、既に任意前提の仕組みに変わっているのかもしれませんね? もしそうだとしたら、はやく「その先の話」をしたいですよね。
たまに、そういう話も書いているのですよ。たとえば、習志野市のあるPTAが始めた「不登校の保護者の会」の話。子どもが直接楽しむ活動ではないですが、間接的に子どもにとってもすごく大切な取り組みだなと。紹介したとき、共感の声をたくさんいただきました。
なお、このPTAは既に改革済みで、活動も加入も任意を前提に運営しています。詳しく知りたい方は、拙著『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』などご覧ください。
「子どもにとって良いPTA活動」といったとき、思い浮かべるものは人によってかなり異なるので、質問された方の意図と違ったたらすみません。ひとまずこんなところで。
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